大正の終わりから昭和10年前後 村の米麦作り、養蚕  

一月
鍬にて麦の耕作(田打ち)及び厩肥の中入れ、
寒い年は土が凍って田畑に入れず、又、雪が降りて溶るの待って間(あいま)をみて、彼岸迄位に耕作を終わるとよいのです

二月、三月
田畑入れぬ時は山仕事(炭、割木、柴木等)一年中燃料及び販売もあり
四月
山仕事終わり
五月
養蚕の準備、 必要な器具工具の消毒洗濯

昨秋取り入れの籾殻を布袋又は、藁筒に入れ水浸しにする用意をする(品種、タケナリ、シンリキ、ニシキ、モチ等)
月初めに日光の当たる種籾は一反に付き二升前後
種蒔き準備に苗代を造り始まる
畦草、れんげを刈り唐すき(牛力)にて田起こし耕土細かく砕き、水張りし馬鍬(牛力)にてどろどろになるまで耕土をこねる、期間どころは五月の中旬を目安とする
床上げ鍬にて五から六尺の巾にて丁寧に上げる、畦草及びれんげを田草を取るように土中に入れ込む、表面をなるべく中高に行う

蒔き方法は水蒔きと泥蒔きの両方あり
水蒔きは蒔床ができあがったら水張りをして、水がうつくしくなりて種床が充分見えるようになったら、静かに入りて手加減にて種籾を落とす(鳥害少々あり)
泥蒔きは種床ができたら水を張らずに少々あい間をおいて、床に手加減にて蒔き落とすと種は泥の中に入りて見えなくなりますので床加減上手にやることです
蒔きが終われば少々あい間をおいて水張りです
これからが大変です 毎日苗代廻りです
四日、五日にて種籾は根切ります 昼間は太陽が強いので夜水を落として夜干しのほうが無難、昼干しも可 もう一回ようすをみて干します
調子がよければ十日ぐらいにて水面に芽が青く出ます もう大丈夫十日余りで本田に移植です 種籾を蒔いて廿日たてば良いが、ちょと短いが田植えの始まり 一家総出にて牛も人も一生懸命田植えが終わるまで、田植えは六月中旬より末ぐらいが適当

苗が伸びるまでに養蚕、茶摘み、麦の取り入れで大変です
麦の取り入れが終わり次第牛力にて田起こし、水張り田植え準備 繭かき出荷
田植え苗取りは殆ど女が主人公です 女一人で苗を取って植えるのは三畝ぐらいでなかなかで、隣近所で手間借りにてやると案外楽です 七月の始めに野上がりと言って小麦団子にて田植えの終わりを祝って一日休みをやります 明日より水田廻り、畑仕事
早植えの水田より田の草が七月の終わり頃迄に除草が終わらないと、苗が長くなり水田に入りにくい 間もなく盆が近づくとやれやれ、ちょっと身体にゆとりができます
九月に入りますと秋蚕が始まり水田の落水 春蚕と同じ事、十月の初めに繭の出荷
畑作の取り入れが始まり、早稲より稲刈り、脱穀及び籾干しむしろ上にて
刈り取り田より麦蒔きが始まります 稲の取り入れ麦蒔きが終わる頃は十一月の末です 
これから菜種の苗を植える 期間雨が降れば家にて籾の殻ムキ臼すりです 
来年の籾種準備

昭和の初め頃より人力脱穀機が入り始めた 十年前後は籾すり機、発動機にて農協主体にて始めた 終戦後は耕耘機、稲刈り機、脱穀機、田植機、草刈り機、乾燥機等々農家は農業倉庫が必要になりました

2006年6月8日 伊藤宇三郎
(2006年7月24日没)

北中津原自治会ホームページ http://kitanakatsuhara.inabe.info/

北中津原の紹介 / 自治会長挨拶 / 特産物 / 歴史・伝説 / 地域情報 / 昔の暮らし / リンク集 / 協賛企業・団体 / お問い合わせ

Kita-Nakatsuhara Jichikai All Rights Reserved. Copyright(c) 2006-2013.